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下妻物語 Comments (20)
2020年現在、37年前ということになる。
あまり記憶していないが、その当時、東京人たちは、本気で近県、埼玉・茨城・千葉などをばかにしていた。かもしれない。
それが、あまりにもうるさすぎるので、自虐ねたをつくって、嘲弄をかわすようになった。──のかどうか、ほんとのところは知らないが魔夜峰央や江口寿史のような、ダサさを反転武器にした創作物によって、地方人が生きやすくなったのは事実である。
つまり、誰もがあらかじめ「おれダサいんですよ」と前置きしてしまうので、東京人もあざけりを楽しむことができなくなった、わけである。
この原作にも同種の諧謔があった。
冒頭、桃子が「できれば私はロココ時代のおフランスに生まれたかった」と吐露するが、そこは茨城で、田んぼに囲まれている。
登場人物たちは、自意識と自虐が表裏だった。
それを端的にあらわした台詞は、いちこ(イチゴ)役の土屋アンナの「なにが貴族の森だよ」だと思う。
貴族の森とは現実に存在した(している)スパゲッティのフランチャイズタイトルである。
そのネーミングセンスをいちこは冷やかしたのだが、同時に、貴族の森で時間とお金を潰している自分自身も自嘲した。
さらに、そこで時間とお金を潰すほかに、さして選択肢があるわけでもない、日本の地方も冷やかした。
そしてさらに、田んぼに囲まれた関東平野のロードサイドの飲食店が貴族の森という名前をつけている日本の矛盾に、至極まっとうな見解を述べたのであった。
かたやフリフリのベイビーを着て、かたや紫の特攻服を着て、そんな二人が茨城の田んぼを疾走し、「貴族の森」なる飲食店に入り浸り、代官山を闊歩する。
「だいたい日本なんてそんなものでしょ」とか「日本ていったいどんな国なんだよ」とか──の諦観と哄笑をはらんでいた。すなわち自意識と自虐が表裏だった。
ただし、諧謔的なのは枝であって、映画の根幹は、お互いの過剰な自意識を乗り越えて、友情を育んだ二人のドラマにあった。
自虐ねたで彩りつつも、底には人と人の思いやりが脈々していたことが下妻物語の凄みだった。
コメディの体裁をとりながら、心象が丁寧に描かれた、人間ドラマになっている。見たときはほんとにびっくりした。
龍二とあきみさんが結婚することになり、密かな片思いが終焉して、河原でさめざめ泣くいちこに寄り添ってあげたくなったのをよく憶えている。
2004年に上映された小説が原作の映画。
主演は深田恭子さんと土屋アンナさんです。
ポケモントレーナーみゆきのこの作品への印象は、当時の深田恭子さんのイメージを大きく変えるものとなったことです。
茨城県下妻市を舞台にロリータとレディースの友情を描いたストーリー。
おっとりしながらセレブな都会に憧れて好きなことを追及するロリータの深田恭子さん。
一方、そんなロリータとひょんなことから繋がりを持ってグイグイと距離を詰めるレディースの土屋アンナさん。
自分のことにしか興味がなく友情なんて感じたこともないロリータでしたが、レディースとの出会いを通して次々と人生の転機が訪れます。
「幸せをつかみとることは、不幸でいることより勇気がいる」
思いもよらない幸福が目の前に来た時に、ロリータが放ったこのセリフが印象的でした。
ポケモントレーナーみゆきもチャンスが来た時に、一緒に勇気を振り絞れる仲間の存在を大切にしたいと思いました。
独特の世界観で楽しい映画でありながら、大切なものに気付くロリータの激変に注目です。
ぜひ観てみてください。
★大好きなポケモンに例えると★
ミミッキュ
可愛い「ばけのかわ」の中に潜む本当の自分を見いだそう。
たたずまいは逆が似合います。
なので無価値でした。
・ストーリー展開のテンポの良さ
・独特な極彩色調
・時折、挟み込まれるチープなアニメ
・各キャラ立ちの良さ、濃さ
- 桃子(深田恭子)の、ロココ調の服装を纏った変わったお嬢様キャラ
イチコ(土屋アンナ)の初心で強がりヤンキーキャラ
”白いエナメル靴、青いスカジャンの一角獣”(阿部サダヲ)
などなど・・-
・イバラギじゃなくって、イバラキという、関東の僻地(すいません・・)を、面白く扱い
-”ジャスコ””牛久大仏・・知ってる?”
<極彩色溢れる、中島監督ワールド全開作。深田恭子さんって、年齢が変わらないのかなあとも思った作品。>
好きな物も性格も正反対、借りは絶対返すヤンキーイチゴと借りたものは返さない主義ロリータ桃子の友情にぐっときます。
ストーリーも美術もキャストも素晴らしい。
いつ見ても元気になれる映画です。