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希望のかなた Comments (20)
難民申請をするが、入管のいい加減な裁定で本国送還となったため、脱走することに。
一方、酒飲みの妻に愛想をつかしたおっさんが家出、ポーカーで儲けてレストランを買うことに。
こんな二人が出会い、真剣なるがゆえに面白おかしい行動を繰り返す。
フィンランドの名監督、アキ・カウリスマキの面目躍如。
とぼけたユーモアともの悲しさと確固たる人生哲学がカウリスマキの特徴とすれば、今回の映画はリアルな社会問題をみごとにカウリスマキの意匠に落とし込んだ。その点では『ル・アーブル』より完成度も純度も高いカウリスマキ映画だと思う。
しかし、だ。その完成度の高さ故に、今後はカウリスマキというフィルターを通して灰色がかったファンタジーを眺めるあの感覚は味わうことができないとも言える。カウリスマキの覚悟には感嘆するし応援もするが、はかない夢のようなカウリスマキの世界で現実逃避をする愉悦は過去のものになった。そうさせてしまったこの世界と自分たちを憎む。
今までの生活を一新し、ある意味命がけで新しいことに挑戦して生きていこうとするおっさんと、自分のことは二の次で、これまた本当に命がけで生き別れた妹を助けようとする青年。そしてそれを取り巻くヘンテコだったり優しかったりする人たち。
難民という深刻なテーマにもかかわらず、ちりばめられたユーモアが作品全体にコミカルさをあたえ、観る者をにっこりさせてくれる。
ツラいよな…
この映画は
それぞれ皆んな
何らかの理由で
生活に困ってて
余裕がない
けど
本当に
そう言う時こそ
助け合う必要がある
それを
少しコメディタッチに
そして社会情勢も交えて
映し出す
妹想いの兄
カッケ〜な
本作は決して夢見がちで希望や感動をもたらすことはない。だがその代わりに、物語が展開するごとに小さな化学変化が絶え間なく生じているのに気づかされる。あの行方不明の妹を救いたいとする主人公の思いや、仏頂面の登場人物たちがかすかに見せる優しさ、心遣い。それらが一つ一つバトンを繋ぐように社会を織り成していく視点が尊く心に響く。今回もカウリスマキは観る者の心に仄かな火を灯して去っていった。あのラストの向こうを切り開くのはきっと我々自身なのだ。