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回路 Comments (11)
自宅で鑑賞。都合、三回以上観ている。早撮りの黒沢作品群の中では出色の出来。小中千昭による恐怖の方程式「小中理論」を踏襲した作りで、好きなシーンが複数ある。不要なサプライズを仕掛けたショッキングホラーでは無く、じっくり魅せるのが佳い。冥界が溢れ、現世にはみ出して来る幽霊が生者をアチラへ送ると云う設定は破綻気味。プロットやストーリーを追い掛けるのではなく、不気味で不安を煽る描写や世界観に身を委ねると愉しめる。ただ確かに後半の展開はやや足早で単調な上、捨て鉢的……それでも好きな一作。85/100点。
・赤いテープで囲まれた地下室内で、赤いワンピースの女が躓き乍ら迫って来るシーンは、鶴田法男監督のオリジナルビデオ『ほんとにあった怖い話~第二夜('91)』収録の「第四話 夏の体育館」に殆ど同じシーンがある。これは鶴田監督の諒承を得て、本作内に採り込んだと黒沢監督がインタビューで答えている。
・監督が「小中理論」の実践者として、鶴田法男や高橋洋に大きな影響を受け、一時期追い掛けていたのは明白だが、それ以上に鶴田監督の描く幽霊やその表現に憧憬を抱き、進んで消化・吸収しようとしていた時期に本作が作られている。
・鑑賞日:2011年5月5日(木・こどもの日)
どうしてカンヌ映画祭で賞を取れたのだ?と疑問が常にわきおこり、いいところを探し続けたが、結局、ラスト15分の荒廃した不気味な映像と加藤晴彦の演技しか見つからなかった。飛び降り自殺のシーンもリアルだったかな。。。
ドキッとする場面は随所に見られたが、編集がおかしいのか、ドキッとする場面が先に出来てそれをむりやり繋ぎ合わせたような印象でした。