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さびしんぼう Comments (20)
『転校生』『時をかける少女』に続く、尾道3部作の最終作。人が人を好きになると、さびしんぼうになる。そういうキンタマに僕はなりたい(笑)
中盤まではさほど感銘を受けない、ただノスタルジックな純朴な高校生活。いたずら好きな3人組といった、どこにでもありそうな素材だった。さびしんぼう(富田二役)が現れてからは、コミカルでもあり、母親(藤田弓子)との関係を想像する楽しみが増えてくる。ヒロキにしか見えない?と考えていたが、みんなに見える存在だったことにビックリ。恋する人にそっくりな想像物だと思っていたのに・・・彼女をみつけた母親が頬を引っ叩くと自分の頬が痛い。さびしんぼうは(16歳の頃の)母親自身だったのだ。
憧れの少女、橘百合子(富田二役)とは、自転車のチェーンがはずれて困ってるというきっかけで近づくことができたのに、結局はすぐに振られて(?)しまう。人には誰でも失恋という大切な思い出がある・・・父親(小林)と一緒に風呂に入ったことで、喜びも悲しみも人生の中の一コマとして妻を愛していることがわかる。
渡せなかったクリスマスプレゼント(ピアノ型のオルゴール。曲はもちろん別れの曲)をチョコレートのお返しにと渡すシーンは、本来なら悲しいはずなのに、それよりもさびしんぼうとの別れの方がジーンときてしまう(母親だとわかっているのになぁ)。
大林監督の倉敷3部作の1作で、他2作と比較して余り目立ちませんでしたが、個人的には最も感銘を受けた作品です。
全編に流れるショパンの別れの曲と、倉敷のセピア色の街並みが、物語を感傷的に盛り上げます。
普通の少年に起きた、ちょっと不思議な出来事。そして、誰にでも訪れる初恋。大袈裟にせず、派手にもせず、難しいストーリー展開もなく、それでもじんわりと切ない気持ちが湧き出てきます。
若い頃は自分に重ね合わせ、大人になったらセピア色の想いでと共に、いつでも感動を与えてくれる作品です。
ゆえにドタバタコメディ然とした面白おかしい毎日がつづいていることが描かれます
しかし後半は百合子との接点を得てから、ヒロキが大人になりつつある日々はすっかりセンチメンタルなトーンにかわります
その前半と後半の目一杯に振り切った対比は後半のセンチメンタルさをより盛り上げています
まさに心の状態ひとつで世界の見え方がすっかり違ってしまう
そのことの映画的表現です
そこを黒澤監督は観ろといわれだのだろうと思います
藤田弓子が演じるもうすぐ42歳になる母タツ子
すっかりどこにでもいるオバサンです
そんな彼女にも16歳の少女時代はあったのです
忘れられない永遠の恋
成仏しない恋慕
あなたの母や、友達の母、道ですれ違う知らない中年女性にもそんな思い出が心の奥底に封じ込められているのではないでしょうか?
そしてラストシーンのようにあなたもすっかり大人のオジサン、オバサンになって、すっかりそんなことは忘れていても、アルバムが棚から落ちてバラバラになった古い写真を見返した時、16歳の日々を振り返えれば鮮明にその頃の素敵な思い出が蘇るのかも知れません
あなたが好きになったのはこっちの顔と百合子は右顔を差します
そういえば彼女の左顔が撮されることは無かったのです
ラストシーンで初めて左顔が撮されます
父の風呂に浸かりながら話す言葉
その人の喜びの悲しみも、昔の素敵な思い出も全てをひっくるめて好きになりさい
それができたなら左顔もひっくるめてその女性の全存在を受け止めて愛することができるということなのです
父はヒロキの名前も、ショパンの別れの曲も、子供に口喧しく勉強しろという理由も何もかも分かっていて全てを飲み込んで母を愛しているのです
自分はそんな大人になれたのだろうか?
あなたはなれたのでしょうか?
その奥の部屋でピアノを弾く少女の左側は良く見えませんが、次のカットで右顔が大きく撮されます
彼女もまたいつの日にか左右の両方の顔を愛してくれる男性が現れることでしょう
ピアノのオルゴールがあったのは、もしかしたら百合子と結ばれたのかも知れませんし、そうで無いのかも知れません
その終わり方もまた味わい深い余韻でした
やはり名作です
あの当時はノスタルジックな雰囲気が好きで見てたが、
内容は今ひとつ理解してなかったと思う。
今日数十年ぶりに見てようやく話を理解した。
モヤモヤしていた部分がすっきりして懐かしい気持ちと同時に
あの時強烈に感じたノスタルジックな気分はだいぶ薄れてしまった。
純粋な気持ちで見ていたあの頃と違い歳を取ってしまったのかな?
因みにこの映画が好きで尾道もわざわざひとりバイクに乗って旅したっけ。
とても素晴らしい景色で料理も美味しかった。
夕焼けに照らされた寺院が映画の様に綺麗だったのを思い出しました。