望郷
プロット
日本
Sep,16 2017 In Theaters
望郷(1982)
プロット
台湾
Jun,09 1984 In Theaters
サンダカン八番娼館 望郷
プロット
日本
Nov,02 1974 In Theaters
トラック野郎 望郷一番星
プロット
日本
Aug,07 1976 In Theaters
男はつらいよ 望郷篇
プロット
日本
Aug,26 1970 In Theaters
ステラ・ダラス(1937)
プロット
アメリカ
Jan,01 1900 In Theaters
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望郷(1937) Comments (8)
高価そうな衣装を身にまとい、宝石をジャラジャラ見せびらかヒロインも魅力的。何より、パリで華やかだった昔のレコード音を伴奏に、場末で歌う中年オバさん、フレエルの姿に痺れてしまった。この女優さん本当に昔可憐な売れっ子歌手だったとのこと。
また、ジャンギャバンに無下にされてもひたすら愛する情婦役の女優、リーヌ・ノロさんも愛おしい。
ラストシーンで、主人公がヒロインの姿を確認し、呼んだ声が汽笛でかき消されてしまうのが、何ともお洒落。ただ、最後に彼が隠し持っていたナイフで腹を切って死んでしまうのは唐突で、驚かされると共に、女々しく感じてしまった。
「これが一番!」と勧められる映画を観るのになぜか億劫になってしまう自分がいます。それは多分、観た後にあまり好きじゃなかった自分がいた時に、その感情をその人の前でうまく対処するのが苦手だからだと思います。(リアルには「ジャン・ギャバンかっこいいす」とか言ってごまかした記憶が。)
いずれにせよ、本作をようやく観ました。そして安心したのが、ジャン・ギャバンは確かにかっこよかったこと。目つきはワイルドで、表情はデリケート。このアンバランスさがこのお方の最大の魅力だと思いました。(今の俳優だとラッセル・クロウの雰囲気が近いと思います。)
内容は、フランスの港町に姿を潜めている犯罪者の男と、それを追う警察の対決物語。とても男臭い映画ですが、昔の日本映画のように風をきって歩くようなタイプではなく、どこかお洒落にキメているところがやはりおフランスならでなといったところでしょうか。
男はながらく逃亡しているうちに、かつて住んでいたパリの心象をある女との出会いをきっかけに蘇らせる。そして、それがエンディングの悲劇につながる導火線になってしまうという按配です。
どれだけ人は強がってもやはり弱い部分があるものなのだと思いました。理性でコントロールしようにも、煌々と心のなかで輝く故郷にたいする憧れを捨てられるほど、わたしたちの心は非情にはできていない、ということなのでしょう。それでも人は強がらないと駄目なときだってある。
そんな荒廃した男の心情を、語らせることなくうまく本作は描いていたと思います。そして、ジャン・ギャバンはその役を見事に表現しています。現代の映画ほど大がかりにドラマチックでなかったのが、古典であるがゆえの貫禄といったところでしょうか。
この時代の作品をもっと観れば、もっと素朴な幸せが見つけられそう。
せっかくプレゼントしてもらったDVDだから、これからまた何回も観ようと思っています。感謝。
ジャン・ギャバンの歌声と併せてこの映画の隠れた魅力。
デュビビエの代表作のように言われる有名な作品だが、「舞踏会の手帳」や「巴里の下セーヌは流れる」に比べてあまりに描写不足で入り込めなかった。
まず、ペペ・ル・モコの行動があまりに身勝手で奔放過ぎ、なぜ部下たちが従順に彼に従っているのかが解らない。
多額の報酬なのか、ボスからの恐怖心の植え付けなのか(この映画ではそうは思えないが)、またたとえばゴッドファーザーのヴィトーコルレオーネのように家族や慕う人々への強い包容心の結果なのか、この映画では彼のボスとしてのカリスマ性の背景シーンがほとんど無いため(罠に掛けられた若い部下への思いやりのシーンこそあったが)、ギャバンでなければただの兄貴分のチンピラにしか見えなかっただろう。
また、ペペ・ル・モコはパリ及びギャビーへの憧れの相互の影響し合いの結果、カスバを出て捕まるわけであるが、この場面でも仲間や愛人を放り出したままギャビーを唐突に追うばかりでペペ・ル・モコに共感するのは難しい。
したがって、有名なラストの“ギャビー”の叫びと自死のシーンも全く心に響かない。
全ては描写不足なのだろう。
もう少し上映時間を長くし、部下との関係やペペ・ル・モコの心象風景を丁寧に描くべきだった作品と思う。
Cape Godさんのような“優しさに裏付けられた深い人間洞察”とはいきませんが投稿させていただきました。
ストーリー: 60
キャスト: 60
演出: 55
ビジュアル: 55
音楽: 65
もし自分が犯罪を犯して警察に追われ、フィリピンだかマレーシアだとかにあるどこかの周囲数キロしかない小さな町に逃げ込んで、そこから外に出ることができないとしたら? たとえそうなったとしても、なんとか自由に外に出たいと思うことは明白だ。
主人公のしでかしたことが故とはいえ、異郷の地の異教徒の小さな町の中でしか生きられないことは、主人公にはまるで牢獄のごとく感じられるのだろう。たとえそこでの信頼や地位や自分を慕う人々を捨ててでも、またわが身を滅ぼしてでも自分の国に帰りたいという望郷の想い捨てさり難い。またそんな男を愛した女は、彼と一緒に行きたいと願っても拒否され、彼を引き留める術を知らずに非合理的な動きをしてしまう。人間は感情の生き物、合理的な判断だけで生きているのではない。それが人が生きるということなのかな。
でも古い映画だし、もっとそのような気持ちを表す演出が描き切れているかと言われれば、そうでもない。彼のフランスの生活がどうだったかもわからないから、彼がどれだけ母国に思いをはせているのか、今の生活とも比較しようがない。映画を見る人にとってはこの町から映画が始まるわけで、この町で顔役になっている彼の生活が彼の全てのようにも見えるし、それを捨て去っていくのは身勝手に見える。もっと生活習慣の違いとか言葉とか、そのような異郷の地にいる感じがより出ていれば、彼の孤独や不自由さや望郷の念といった感情をさらに理解出来たのだと思う。室内の場面が多くてせっかくの独特の街並みが効果的に撮影されている場面も少ないし、古い白黒映像はこの街並みを描写しきれていない。名作といわれるこの映画を高く評価しない人の評価がいくつかあるのも、異郷の地に住みながら望郷の念を強く抱くことが解り辛いことが原因なのかもしれないし、少なくとも私はそうだ。