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牛の鈴音 Comments (9)
「スピードと効率」を重視する、大量生産方式が畜産業界にも導入され、狭い場所に牛や豚、鶏を押し込めて育てる「密飼い」が主流になっている。運動不足やストレス、不衛生な飼育環境が病気を拡大させる温床になっているのだ。更に健康リスクの回避、成長促進のために抗生物質が飼料に添加され、人体への影響も危惧されている。
経営効率を上げるために、乳牛の平均寿命は5年~6年と言われている。この映画で79歳の農夫と一緒に働く牛は、40年も生きているのだ。「スピードと効率」に背を向けたチェ爺さんの生き方が、牛の寿命に反映しているのだと思う。
2009年にわずか7館で封切られたドキュメンタリー映画が、累計で約300万人を動員するヒット作になったのは、「家族の絆」や「大量生産社会・大量消費社会」を考えなおす糸口を与えてくれたからだろう。
「スピードと効率」という価値観は確かに生活の豊かさをもたらしたが、同時に環境汚染や自殺、過労死などの問題も引き起こしているのだ。「スローライフ」という考え方が提唱されるのも、多くの人々が心の豊かさを求めている証拠なのかもしれない。
健康やお金も幸せの基本だが、今この時間を「味わう」ことも、幸せではないのか。何かに思い煩うことなく、ゆっくりと今を味わえる時間があるのも、幸せのバロメーターのひとつだと思うのだ。「牛の鈴音」は、私達の足元を見つめ直すための警鐘なのだろう。
※ 鑑賞直後のメモから
映画の最初から最後のまで「牛を売れ〜!売れ〜!」
「農薬使えば楽になる。あたしに楽をさせろ〜!牛より機械だ!」
「全くこの人と一緒にならなければ…」と。野村監督を10人足した位にボヤキまくるおばあちゃん。
それを《柳に風》とばかりに受け流すおじいさん。
このおじいさんと、老いぼれ牛はまさに【一心同体】
最後はやっぱり泣かされてしまう(T ^ T)
2009年12月24日 銀座シネパトス1
今年からは映画館で鑑賞しようと決意。
そんな私に映画大好きな友人が最初に映画館で観るなら是非!と奨めてくれたのがこの映画でした。
内容は
韓国の田舎の農村部で
昔ながらの機械に頼らない農家の老夫婦と
労働の担い手として大切にされている牛(40歳!普通15歳が寿命だそうです)
最後の数年を描いたドキュメンタリー映画です。
美しい韓国の昔からの田園風景、そこに響く牛の澄んだ鈴音、無口だけどまっすぐに生きるおじいさん、おじいさんと牛を愛情たっぷりの愚痴?を言いながら見守るおばあちゃん、後から仲間入りする若い雌牛…
の織り成す生活が
どの場面も名画をみている様でした。
挙げるとキリがないので1番印象に残ったシーンは
おじいさんが40歳の老牛を一度手放そうと市場に向かった時
市場の仲買人達に老牛を馬鹿にされ
おじいさんは踵を帰し牛と帰路に着きます。
おじいさんと牛のその姿から
「誇りをもって生きる真っ直ぐ生きる」
というメッセージが放たれていて
気がついたら頬を涙が伝わっていました。
ドキュメンタリーなのを忘れてしまうくらい素敵な映画でした。
今回観た映画館は
東京銀座の三原橋ちかくのレトロな映画館
大通りの地下道へ続く半円状の階段を下りていくと地下道入口に映画館がありました。
牛の鈴音の手作りの紹介パネル展示があったり、
チケット切って下さる方がそのまま振り返って売店の店員さんを兼ねてるレトロで家庭的な映画館でした(^_^)
また是非この映画館でみたいです(1月20日鑑賞)
ドキュメンタリー作品が受けない
韓国で300万人を動員。この人数は、
韓国国内の15人に1人が観た計算になるそうです。
予告編の短い尺で
眠くなりかけてしまう、
そんな癒し系の映像に魅かれ、行ってしまいました。
☆彡 ☆彡
癒し系ですねぇ
本編では眠くなりませんでしたよ(苦笑)
〈 休むのは死んでから 〉
韓国慶尚北道奉化郡で農業を営む、
老夫婦と40歳にもなる老牛との
毎日の生活を映しだしたドキュメンタリー。
もう、この時点で、大体の想像がつくと思いますが、
派手な出来事もなければ、目を引く事件もありません。
カメラは、淡々と、夫婦と老牛の過ぎていく日々を映すだけ。
イ・チュンニョル監督、
元々テレビディレクターをされていた人で、
今作も、当初はテレビの企画として始まり、
それが、紆余曲折を経て、映画化されることに決定。
自分の父をモチーフにした構想から、
農夫・牛、これに会う人を探し、今作の主人公に行き着いたそうです。
映し出される
おじいさん、おばあさんは、
汗水流して、よく働きます。
機械を使った近代農家を横目に、
手作業にこだわり、牛の食事に悪いから、
と農薬も使わない。愚直なまでに、時代と逆行をした生き方を貫きます。
そんな姿勢をみて、
おばあさんは、おじいさんに、
「機械を買おう」「農薬もまこう」と大きな声で
言い続けるのですが、おじいさんは、まったく耳を貸さない。
おばあさんは、そんなおじいさんに対し、
「わたしほど、不幸な人はいない」だの
「なんで、こんな所に嫁いだのだろう」だの、愚痴をこぼし放題。
この愚痴が、おじいさんを憎んでいる愚痴ではなく、
おじいさんを愛しているがゆえの愚痴だから、なんだか微笑ましくなる。
◇ ◇
観る人によっては、
おじいさんを中心とした
不思議な三角関係に見えるかもしれません。
実は、老牛は雌牛です。
おじいさん、おばあさんは、
老牛がひく、リヤカーに乗り移動をします。
ある日のこと、
坂を上がる老牛が苦しそうにしていました。
すると、おじいさん、おばあさんに「下りろ」と指示。
また、ある日のこと、
体調を崩した老牛のため、薬草をとってきてあげます。
するとおばあさん。「私が体調を崩したとき、そんなことしてもらったことがない」とぼやく。
そして、そんなとき、
タイミングよく老牛の顔がアップになるんです。
当然、牛だからしゃべるはずはないのですが、
なんか、マンガのふき出しみたいなものが見える気がするんです。
どういうことかというと、
こちらで老牛のセリフを考えてしまうんですよ。
たぶん、こういうんだろうな、なんて。しかも口調まで想像してしまう(苦笑)
ラスト、老牛は天寿を全うするのですが、
その瞬間に流れる音楽に韓国映画の真骨頂を感じました。
イコール、露骨に泣かせにくるのがイヤな人は、ここで、
泣くどころか、引いてしまうのかもしれません。韓国映画が
好きな私は「あっ、やっぱり音楽は、こうくるのね」と思ったのち、
うっすらと眼を潤ませてしまうのでした(笑顔)
☆彡 ☆彡
劇場に貼られていた記事を読んでみると、
韓国国内では、この映画を観たあと、両親に
電話をかける、お客様が非常に多かったそうです。
監督は、今作を作り終えて、
「心や目に見えないものを撮る重要さを知った」と語っています。
老夫婦、特におじいちゃんは無口ですし、
老牛も、時折、首にぶら下がった鈴の音をたて、
意思表示をすることはあっても、しゃべろうはずもありません。
静かに過ぎる毎日を見ながら、
ぼんやりとするのもいいかもしれません。
映画館にいるのに、
なんだか縁側でゆったりしているような気持ちになってしまいました(笑顔)