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EO イーオー Comments (8)
ロバの眼を通した見た世界が描かれているようで、ロバに見られている自分を感じるような映画であった。
ロバが主人公の映画…と言えば、すぐに出て来るのはブレッソンの『バルタザールどこへ行く』だが、バルタザールでは1頭のロバが様々な飼い主を転々としていくが、本作もそれに近い。
本作では、EОと呼ばれるロバはサーカス女性カサンドラに可愛がられるが、その後転々と様々な人たちと接することになる。そして時々、可愛がってくれたカサンドラを思い出す。
このカサンドラを演じた女優は、ちょっとだけエル・ファニングに雰囲気似ている感あり。
また、本作はアチコチで「う~ん、映像美!」というシーンが多々あり。
『2001年』スターゲートを想起させられる場面なども印象的。
EОはサッカーやトラック運転手に運命的な作用をしているかに見えたりするが、サッカー場面では「♪チームカラーはわれらの誇り」とか「♪青と白が勝利をつかむ」などというチャントが、個人的に気になった。
明日(2023年5月6日)、3度目のアジアチャンピオンを目指す浦和レッズの対戦相手アルヒラルのチームカラーは青。ちょっとタイミング的に「青い方が勝利をつかむ」などと勝手に伝わって来て困った(笑)
奇しくも、5月5日はスコリモフスキ監督の誕生日。映画会社としては「金曜日だし、GWだし、…丁度いい」という感じだろうか(笑)
さすがスコリモフスキ監督、なかなかの佳作。
映画 #EO #イーオー
愚鈍のイメージのロバのつぶらな瞳から見た人間世界の不条理を描いてます
ロバの感情?表情?はほぼ瞳からのみ発せられるけど、何かが伝わるんですよね
アメリカの民主党のイメージトレードマークはロバでしたね
@FansVoiceJP さん試写会ありがとうございました
もっとも、スコリモフスキ監督が公言しているように、ロバの視点を通じて人間の暴力性や愚かしさを描き出す基本姿勢は、1966年のロベール・ブレッソン脚本・監督作「バルタザールどこへ行く」にインスパイアされた。ブレッソンの映画はドストエフスキーの長編小説「白痴」に着想を得ており、一方で“バルタザール”は新約聖書の東方の三賢人(または三博士)の一人の名前。ロバに「聖なる愚者」が重ねられているなら、「EO イーオー」のストーリーから2018年のイタリア映画「幸福なラザロ」などを想起するのも当然だろうか。
ロバのイーオーはもちろん台詞を発しないし、内面を代弁するナレーションもない。イーオーに話しかける人のモノローグや、イーオーが行く先々で出会う人々の会話はあるが、体感で本編尺の半分以上は台詞に頼らずイーオーの大きくつぶらな瞳から見える世界を綴っている。撮影監督ミハウ・ディメクの詩情豊かな映像は実に雄弁で、繊細なサウンドデザインも相まって、台詞のないシークエンスにも引き込まれ続けて飽きることがない。観客の想像を促す余白とはよく使われる言葉だが、本作の余白も豊穣で多くを考えさせる力に満ちている。
動物愛護派や自然エネルギーに対するシニカルな言及も含まれる。常識や社会通念にとらわれず、純粋な眼差しで世の中と自らの生を見つめなおすことの大切さを説かれているようでもある。