バーニング
プロット
アメリカ
Aug,29 1981 In Theaters
ミシシッピー・マサラ
プロット
アメリカ
Dec,14 1991 In Theaters
バーニング・ムーン
プロット
ドイツ
Jan,01 1900 In Theaters
ヘヴンズ・バーニング
プロット
オーストラリア
Sep,30 2000 In Theaters
バーニング 劇場版
プロット
韓国
Aug,25 2023 In Theaters
サラ・ムーンのミシシッピー・ワン
プロット
フランス
Apr,11 1992 In Theaters
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ミシシッピー・バーニング Comments (9)
ストーリー: 75
キャスト: 75
演出: 75
ビジュアル: 70
音楽: 70
ディープ・サウスの人種差別は近代国家とは思えないほどのものだったという話も聞くし、この映画で行われていたようなことが実際に十分起きていたのだろう。町長も警察も裁判所もみんなが差別主義者なのだから、焼き討ちがあろうと殺人があろうと好き放題やり放題。突然夜に家に押しかけて黒人を引きずり出して集団暴行したり、家に火をつけたり、そのような社会での差別をそのまま直接取り上げていて迫力がある。
そのような敵対的な環境ではありきたりの方法で捜査が出来ないとなれば、非合法なきついやり方も容認してしまうというのも当然という気がする。その手の役をさせたらハックマンはまさに適役で、結果を出すためには手段を選ばずのたたき上げの捜査官を演じ、しっかりと吼えてこの閉鎖的社会に風穴を無理やり開けていた。
元群保安官で叩き上げのベテラン、アンダーソンと、ハーバード大出のキャリア組エリート、ウォードが、捜査方法で対立しながらも3人の公民権運動家失踪の真相に迫っていく。
冒頭の、水飲み機が白人用・有色人種用と別れているシーンから、少しでも捜査に協力した者は、KKK(白人至上主義団体)によるリンチ、焼き討ちにあうなど、黒人を人と思わない白人たちに終盤までムカムカさせられる。
ウォードの、法を尊守する捜査に限界がきて、ブチキレたアンダーソンの違法捜査で犯人たちを追い詰めるクライマックスは痛快!の一言。
だが、痛快だけでは無い重いテーマ、アメリカのタブーである人種差別に鋭く突っ込んだアラン・パーカー監督の力作です。
実際にはFBIは活躍していないどころか、捜索に非協力的だったらしいし、違法捜査で罠にはめる際に出てきた黒人捜査官も、1964年時にはいなかったそうだが、人種差別は決して許さない!というテーマをしっかりと伝えている以上、本作の価値が下がるとは思えない。
アメリカでは、アフリカ系アメリカ人初のオバマ大統領が誕生したが、選挙戦時、南部の州のほとんどは、対立候補のマケイン(アイルランド系白人)が勝利していた。という事実から、決して過去の話しでは無く、現在も差別の根は残っていると認識した上で観てほしい作品です。
① 神はご自身に型どって人間を創造された
② 誰もが知っている通り神は黒人ではない
③ ゆえに、黒人は人間ではない。
・・奴隷制度を正当化しようとした白人キリスト教社会の、この歪んだ「洗脳論法」。
言葉を失います。
やっぱり黒人差別という歴史的事実、しかもつい最近の1960年代の話っていうんですから、いやがおうにも身に迫るものがありましたね。歴史的な重みで畳みかけるっていうかね。
アラン・パーカー監督の作品は初めて観たんですけど、一番有名な『ミッドナイト・エクスプレス』も観てみようかしらね。
黒人の命も大事?
そんな甘い日本語訳では何も伝わらない
「黒人の生死に関わる問題」なのです
本作は理屈などでなく、一発でズバリその本質を雄弁に映像で分からせてくれます
1964年に米ミシシッピ州フィラデルフィアで実際にあった事件をモチーフにしています
その田舎町は、隣のアラバマ州バーミンガムから約260キロほど西にあります
バーミンガムは黒人の公民権運動に関心のある人なら誰もが知っている街です
なぜなら、本作で扱われる事件の前年1963年春の「バーミンガム運動」があったところだからです
あのキング牧師が指導し、市の差別的な法律を変えさせた非暴力運動です
マスコミの注目を引きつけたことで、この運動は全米的な力を生み出したのです
何度も台詞に登場するNAACPとは、全米有色人地位向上協会とのこと
SCLCとはキリスト教指導者会議のこと
後者はキング牧師の組織です
本作はその事を知っていれば、より深くなぜこのような事件が起こったのかが理解できると思います
序盤、FBIの捜査員の二人は車でミシシッピ州の州境を越えます
ワシントンからは約1450キロ、その道は途中バーミンガムを通過します
「ようこそモクレンの里、ミシシッピ州へ!」と看板が道端にあります
モクレンの花言葉「高潔な心」
なんという皮肉であるかかが次第に明らかになります
劇中で、7歳の頃にはもう差別が当たり前の事になっているという台詞があります
因襲の世界です
差別をする大人達は当時20代としても、2020年の今は80代です
世代は入れ変わっているはずです
最後に移される三人の犠牲者の墓石には、「1964年忘れまじ」と碑文が彫られてあります
しかし、その上部はハンマーで破壊されたらしく、辺りに欠片が散らばっています
つまり差別の因襲の根は深く、裁判で犯人達が有罪になったところで変わってはいないのです
それでもラストシーンの葬儀には黒人だけでなく、白人の若者達の顔がチラホラと混じっています
古い因襲はこの若者達の世代になればきっと消え去っている、そのはずだった
本作の公開は1988年
事件から34年が経っています
世代は変わりました
ラストシーンの白人の若者達は、本作でのKKK 団の連中と同じ年頃の中年になりました
表面的な差別は消えた
でも本当に消えたのか?
それが本作のテーマです
冒頭の水飲み場のシーン
一本の給水管が二つに別れ、左は白人専用のウォータークーラーに繋がっています
右は有色人種専用で、ただのみすぼらしい蛇口なのです
このような目で見える差別はもう消えました
でも目に見えない形で残されているのではないのか?
同じ人間に産まれても、人種によって人生が異なってしまう
人生の可能性、機会の平等は、実は目に見えないこのような水飲み場のようになってはいないのか?
それを本作は訴えているのです
そして21世紀の2020年
本作公開から32年が経ちました
本作の事件と本作公開との間とほぼ同じ歳月が過ぎました
また一つ世代が変わったのです
事態は改善されたのでしょうか?
古い因襲は消えたのでょうか?
答えはブラックライブズマター運動です
変わっていない
むしろ後戻りしているのです
時間が解決する?
そんなことは嘘だったのです
世代が変わっても解決されなかったのです
その絶望はとてつもなく深いのだと思います
いまこそ本作を観るべきです