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1900年 Comments (2)
1900年代初頭から中盤までのイタリアの地主と小作人の関係が描かれている作品。地主(権力者)-ファシスト(部下)-小作人(働かされる者)の主従関係が凄くリアルに現実的に描かれていて面白かった。この構図は色んなものに当てはまると思う。真っ先に思い浮かんだのが、第二次世界大戦時の大日本帝国。地主=天皇、ファシスト=軍部、小作人=国民。この作品で描かれている関係性に近いものがあったと思う。
「暗殺の森」や「暗殺のオペラ」に通づるような、とてもベルトルッチ監督らしい内容で面白かった。
ベルトルッチ監督らしい映像美も印象的だった。イタリアの田舎町の田園風景など、西洋絵画のような美しさで素晴らしかった。内容、映像美に加えエンニオ・モリコーネの音楽も相まって、ノスタルジックで感動的な世界観に仕上がっていて素晴らしかった。
名優達の演技も見応えがあった。その中でもファシスト・アッティラを演じたドナルド・サザーランドの怪演は圧巻だった。
ベルトルッチ監督らしい内容と映像美の素晴らしい作品だった。
5時間にも及ぶ超大作ながら、少しもダレ無い
お話はワンスアポンアタイムインイタリアというところか
同じイタリアの名作木靴の樹の時代直後
土地も同じく北イタリアのミラノ近くの田舎
木靴の樹の直線上にストーリーが展開していきます
映画の製作年度は本作が76年、木靴の樹は78年なので本作の方が先に作くられています
この地方出身の木靴の樹のオルミ監督が本作を見て、本当の当時の北イタリアの貧農の生活はこうだと製作意欲を掻き立てたのではないかと感じます
戦前の日本の農村よりも小作人の収奪構造が苛烈な様、資本家=地主とファシズムとの結合をじっくりと描き、故に社会主義革命が正義であると主張します
終盤では主人公のひとりオルミがカメラに向かって、つまり観客に向けて演説します
傍観していたからファシズムを育てたのだ
また傍観していると同じ事が起こるぞと
しかし、それは立派な主張だと思いますが、社会主義に幻滅し、堕落した左翼運動の末路、共産主義国家の苛烈な人権抑圧のファシズム化、帝国主義的軍事国家に成り下がった有り様を目撃してきた我々2000年代のものからみればなんと社会主義に夢を見れるとはナィーブな幸せな時代だったのかと、呆れる他ない
なにしろ我々は共産主義国家が民主化を求める人民の群衆を戦車で数千人もひき殺す瞬間を目撃しているのだ
この映画ですら地主=資本家の手先に動員された官憲の騎馬隊も路上に寝そべった農婦の集団の前には撤退したというのに
とはいえあの時代その活動があったからこそ今があるだとも感慨がよぎります
かといって政治的メッセージだけの映画かと言うとそうではない
十分に映画として楽しめる作品です
デニーロの役作りも物凄いものがあります
ラストシーンは映画の製作当時の現代になります
老人になった主人公二人が少年の時と同じ様に変わらず喧嘩をしながら登場し、アルフレードは当時と同じ様に線路に横たわります。今度はレールを枕にして
ワンスアポンアタイムインアメリカは更に8年後に同じイタリアのレオーネ監督が製作するのですが、物語の基本構造、特にラストシーンは本作と相似形を描いて明らかな影響を与えていると思います