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ハワイ・マレー沖海戦 Comments (5)
戦意昂揚のため、開戦直後の大勝利「真珠湾攻撃」「マレー沖海戦」をモチーフにしています。
前半は、戦闘機乗りに憧れる少年が予科練を通してパイロットに成長する話。
後半はその少年も参加した「真珠湾攻撃」と「マレー沖海戦」の様子を。
零戦始め、97式艦攻、99式艦爆、96式陸攻などの実機が大空を羽ばたく貴重なシーンは、さすがの海軍省製作。
戦闘シーンは特撮に変わりますが、それも我らが《円谷英二》が巧みに撮影(それなりですがw)
「軍艦行進曲」をバックに帝国海軍の戦艦群による主砲一斉射撃するエンドロールには、涙モノ間違いなし。
そりゃ、海軍さんに憧れちゃうでしょー(笑)
ディズニーだって戦意高揚映画を取っている
どこの国だって同じことだ
本作が有名なのは特撮による海戦シーンが円谷英二の名を世間に轟かせたことだ
ゴジラで世界的に彼の名前は有名になるが、その技術はほとんどもうこの時代に開発されていたことに気づかされるだろう
本作には美術に円谷にまねかれて東宝に入社した渡辺明が参加したことでも有名
以後、渡辺明は円谷のもとで特撮美術の縁の下の力持ちとなる
実物大の空母の飛行甲板と艦橋のセットを使った撮影の見事さは彼の功績だろう
海軍省の肝いりにも関わらず、撮影には軍事秘密として全く協力を得られず手探りでここまでの美術セットを作り上げたのだから見事なものだ
後年のトラ!トラ!トラ!でオマージュされているシーンも多いことに気づかされもするだろう
とはいえ本作の前半は特撮なしのドラマパートです
ハワイマレー沖海戦において活躍したパイロット達は、どのようなベストオブベストの若者達だったのか、いかに苦しい訓練を耐え抜いて育成されてきたのかを延々と見せることに半分の時間を割いている
17歳の初々しい原節子の娘振りも観ることができる
後半の半分は攻撃準備に明け暮れる日々を描き、海戦シーンは残りの30分に満たない分量しかない
少し物足りないのは確かだが、記録映像、実物大セット、そして特撮
これらが見事に融合して高い効果をもたらしているのは確かだ
そして戦意高揚のプロガパンダ映画
21世紀の我々の目からみれば痛々しいばかりだが、当時は当然のことながら至ってまじめそのもの
真剣にこのようなベストの人材が高いプライドを持って、全身全霊で戦争に打ち込んでいたのだ
そこにはプロガパンダではない真実がある
それゆえに、それでも勝てなかった、その衝撃の強さを感じる事ができる
時の運でも、戦意の不足でも、訓練の不足でも無い
兵器のレベルも開戦当初は世界最高レベルであったのだ
このような優れた人材を総て戦争につぎ込み、猛烈な訓練を経ても敗戦した、その衝撃の大きさが改めて本作を観ることで伝わってきた
戦火で焼け野原になって放心状態になっただけではない、自信喪失といったものを感じることができるのだ
それゆえに21世紀の現代においては、本作は第一級の反戦映画になっているようにすら思えた
山本嘉次郎監督、円谷英二特撮の戦中に於ける戦意高揚映画は本作の他にあと2作
1944年3月公開の「加藤隼戦闘隊」と同年12月公開の「雷撃隊出動」だ
何故か映画.com にはエントリがなくレビューを書けないのでこちらに記す
前者は陸軍の全面協力で実物の戦闘機や爆撃機、果ては鹵獲した敵機まで実際に飛ばして空中撮影までしている
後者もレイテ沖海戦で沈む直前の本物の空母瑞鶴から本物の九七艦攻が発艦するシーンを始め本物ばかりが登場する
どちらま特撮も素晴らしい
前者には助監督には本多猪四郎の名前もある
併せて観て欲しいと思う
単に戦意高揚映画と切って捨てられない戦争映画としてのクォリティーがある
特に後者は敗色濃厚な戦況を隠そうともしていない
本作製作の1944年11月時点では、もう日本海軍には艦隊戦力は壊滅していたのだ
もう特攻しかないのだというメッセージを放っており悲壮感すら漂っている
そういう意味での戦意高揚映画になっている
山本嘉次郎監督はその中で、米軍捕虜の口を借りて日本に勝つ道理が無いと語らせている
しかも大東亜共栄圏すら南洋の小島の例としてそもそも彼らはそれを望んでいないことまで暴露している
反戦映画といってよい
見事に検閲をかいくぐってみせたのだ
「東宝・新東宝 戦争映画DVDコレクション」の付録DVDで2回目の鑑賞。
真珠湾攻撃、マレー沖海戦での勝利を描き、日本国民の戦意高揚を図るために製作された国策映画のひとつ。
年少兵が厳しい訓練を経て立派な飛行兵となるまでを丹念に描いています。本作を観た当時の少年たちは主人公の姿に胸を踊らせ、自分もこの人のように神州日本の勝利のため、何より天皇陛下の御為に兵隊さんになって戦おうと決意したかもしれませんねぇ…。
しかし本作が公開された時期は、6月にミッドウェー海戦、8月にはアメリカ軍がガダルカナル島に上陸…と戦局が次第に日本にとって不利な状況に傾きつつあり、連戦連敗・泥沼の消耗戦に片足を突っ込んでいました。
どの国も戦意高揚を目的とした国策映画を製作していたことに変わりはありません。それに関しては日本だけでは無い…。しかしそれでも、こういった類いのもののなんと罪深いことか…。悲劇の足音は刻々と近付いて来ており、本作のような“きれいごと”など端から無く、多くの尊い命が失われていくことに…。怒りしか沸いて来ません…。
――
当時、数多くの戦意高揚映画がつくられましたが、中でも本作が傑作の誉れ高い理由とは、やはり円谷英二特技監督による特撮シーンが素晴らしいからでしょう!
中でも、真珠湾攻撃シーンはあまりにも有名。軍部からの情報提供が無かったため、攻撃時の写真に写っていた波の高さを元に周辺の寸法を計測して再現されたという真珠湾のセットは圧巻の一言です。
リアル過ぎたが故に、戦争終結後にGHQが記録映像だと誤解したというエピソードもあり、まさに円谷特技監督の手掛ける特撮のクォリティーがどれだけ高いかを証明し、出世作となった記念すべき作品…でもあるだけに複雑な心境であります。戦争が技術面でも文化面でも進歩の要因になって来たということは紛れも無い事実ですが…。
1942年度キネマ旬報ベストテン日本映画第1位。
色んな意味で、日本の戦争映画の中でも名を残す一本。
それにしても、時代を感じる。
今、こんな映画を作ったら物議どころか大問題、公開禁止は確実。だって、
戦争万歳!戦う事こそ素晴らしい!
さながら、“立てよ国民!”。
悲壮感もまるで無く、これを信じて入隊した者がもし居たとしたら、実際目の当たりにした現状の衝撃がどれほどのものだったか察するしかない。
今、戦争映画を作る意味は反戦映画である事。
しかし、これはこれで意義がある。
当時、日本はこんなにも愚かだった。
反面教師としてそれを伝える、貴重な記録でもある。
本作を語る上で欠かす事が出来ないのが、言うまでもなく円谷英二の特撮技術。
あまりの精巧さに当局から睨まれ、映画界を干されたこの方が、その後“特撮の神様”として世界に名を轟かす事になるとは、この時誰が予想出来ただろうか!