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サンタ・サングレ 聖なる血 Comments (11)
大筋で結末は途中からバレバレだが、ホドロフスキーの混血性を画面いっぱい表現された作品。
「社会適合者と不適合者」「健常者と障害者」「愛と憎しみ」「悲劇と喜劇」など比較も対立もさせずただただ混在させているホドロフスキーの素晴らしさが遺憾なく発揮していると思う!
『エンドレスポエトリー』のホドロフスキー監督の商業作品とのこと、奇想天外縛りの企画において、どのような内容だろうと興味深く感じたまま鑑賞。
表題の通り、宴会芸は後から冷静に思い出すと笑ってしまうのだが、息子のPTSDがあそこまで症状を悪くしてしまっていたらさもありなん、と同情心も湧いたりする。しかし、ああいう幼児退行どころか、別の動物に先祖返り的行動を起こす事例はあるのかどうかは眉唾というか、あくまでも演出なのであろうから仕方がない。それよりも相変わらずのメキシコの闇の深さをサーカスや風俗街を通してバックボーンを醸し出すのが上手な監督である。明らかに狂信的な母親と、サーカス団長という封建的制度の頂点である父親の複雑怪奇な家庭環境は、精神的にも追い詰められる素地であろうと容易に想像させるところも商業ベースであろう。しかしそんな中にピエロや楽団等のメランコリックなエッセンスを惜しげもなく組み込む座組もその後ろ暗さが素晴らしい。ストーリーそのものよりもイメージを追うことで、幻想的で退廃的、しかし狂気を一瞬で打ち消す聾唖の女の子の可憐な存在は、もう立派なジャンル映画そのものである。日本で言えば正に、江戸川乱歩的世界のメキシコ版の一言である。結局最後は母親は幻だったという変形夢オチに収拾した作りも懐かしさが滲み出て面白く鑑賞できた。それにしても主人公とその幼少時代の子役は監督の息子とのこと、あれだけの端正な美男子を授かる事自体、引きの強さを感じさせる監督である。
母が狂信者となった事。
父がサーカスの団長で浮気症な事
そんな中で起こった悲劇。
施設で鳥?ケモノ?のように生きる。
施設を出て母の腕となって生きる。
ある時聖なるものはもう死んでいることに気がつく。
強烈なイメージが美しい。
ラストも良い。途中で気付くか。
自分が学生の時に映画紹介のTV番組にハガキ応募したら当たって映画館に観に行って気持ち悪くなってしまい途中で何度か席をたってしまったのを思い出した。
ショックを受けて帰って、次の日の学校でも映画をひきずって知恵熱みたいになって具合悪かった。早退した。中学生だった。