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もし、あなたなら 6つの視線 Comments (1)
1 『彼女の重さ』 The Weight of Her 監督イム・スルレ(ワイキキ・ブラザース)
女子商業高校にて、就職のため容姿に磨きをかけるようにと叱咤激励する教師たち。美容整形やダイエットで成功した者もいれば、全く自然のままの者もいた。「容姿」によって教師側から差別される問題を訴えた映画だが、説得力にも欠け、インパクトも弱い。しかし、ラストで監督が登場することによって笑いが起こる(笑)。★★★・・
2 『その男、事情あり』 The Man with an Affair 監督チョン・ジェウン(子猫をお願い)
近未来のマンション。同じ階に住む住人たちは中庭を取り囲みお互いに監視しあっている。おねしょの癖が治らない少年が周りから無視されるものの、犯罪歴のある青年には心を開く事ができそうだと感じる。インターネット等により犯罪歴のあるものは徹底的に監視されることへの痛烈な批判が込められているが、それよりも無関心の大人たちが気持ち悪かった。
★★★★・
3 『大陸横断』 Crossing 監督ヨ・ギュンドン(寵愛)
脳性麻痺の青年の日常生活を11のエピソードにまとめた作品。彼にとっては道路を横断することが大陸を横断するくらい大変なことなのだ。本当の障害者を使ったドキュメンタリーなので、大胆だが痛々しい映像には胸が痛んだ。★★★・・
4 『神秘的な英語の国』 Tougue Tie 監督パク・ジンピョ(死んでもいい)
9歳の少年ジョンウはRとLの発音が上手くなるように手術を受ける。痛々しい映像。英語コンプレックスを生む子どもの人権を訴えた作品。そこまでやるか・・・ホラーより怖い。★★・・・
5 『顔の価値』 Face Value 監督パク・クァンス(チルスとマンス)
葬儀場の駐車場の料金計算所。綺麗な女性係員と男性ドライバーが「美人なのに態度が悪い」といちゃもんをつける。美形だからどうこうといった偏見・・・テーマは些細な問題。短編なのに爽やかなホラー(?)だ。★★・・・
6 『N.E.P.A.L.平和と愛は終らない』 Never Ending Peace And Love
監督パク・チャヌク(JSA、オールド・ボーイ)
1990年代、ソウル。ネパール人女性チャンドラが働いている工場そばの食堂でラーメンを食べたが財布を落としたことに気付く。警察がやってきて尋問するが、彼女のしゃべるネパール訛りの韓国語は精神病患者がしゃべる言葉に似ていて、病院に収監されてしまう。6年4ヶ月もの間精神病院をたらい回しにされていた末ネパールへ帰ることができたのだが、ネパール語を話す者が他にいなく疎外感を味わっていたチャンドラ。実話という重みとともに、エピソードは彼女を写さず、観客がチャンドラの目になって意思の疎通を欠くいらだちを体感させられる。見た目も韓国人そっくりのネパール人部族であったことも災いして、外国人であるということさえも理解してもらえないもどかしさがよく伝わった。短編で終らせるのが惜しい。
★★★★★
【2004年11月映画祭にて】