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マークスマン Comments (4)
観る前からこんなことを言うのもなんだけど一般受けのしないあまり面白くない映画と言える。
I worry about you. Out there in the middle of nowhere all by yourself.
国境警備隊員である一人娘のサラから、こんな言葉を作中言われるほどリーアム・ニーソン演じる主人公のジムは、一年前に妻を亡くしてからは、酒浸りで妻の入院費がかさみ農場は銀行に差し押さえになりそうになっている。そんな最悪な現状の彼のところにメキシコの麻薬カルテルから命からがら国境を越え、まさにギャングから追われている母子と遭遇するところからこの映画の幕が開く。
Moses Pray:
I told you, I don't want you ridin' with me no more.
You still owe me two hundred dollars.(ペーパームーンのラストのラインより)
親子でない者同士が繰り広げるロードムービー... 古くは、家族を殺された復讐劇でジョン・ウェインとスパンキーなアメリカン・ニューシネマの旗手キム・ダービーが共演した『勇気ある追跡(1969)』や未だにオスカー最年少記録が破られていない詐欺師と車の事故で母親を亡くした10歳の少女との珍道中映画『ペーパームーン(1973)』が思い出される。けれどもこの映画『ザ・マークスマン』では...?
アイルランド訛りと気質をさりげなく横顔に、ニーソンのキャラの堅物さと目の前で母親を殺された無口で人見知りなミゲル少年。そんな二人が相いれて打ち解けるはずもなく、映画の面白みとしたら、しらけてしまうのにそれが何故か見ていても感じがいい。
永年、クリント・イーストウッド監督のもと『ミスティック・リバー (2003) 』、『ミリオンダラー・ベイビー(2004)』、『硫黄島からの手紙(2006)』などの映画プロデューサーを務め、また2012年のクリント・イーストウッドを主演に迎えた映画『人生の特等席』では初長編映画を監督したロバート・ロレンツ。
義理とか人情とか日本語が持つ端的に表現できる単語のようにニュアンスを伝えるのが難しいとされる英語の世界。でもフランスの騎士道精神から由来したオマージュという言葉は意味は別でもモーテルのテレビでは『Hang 'Em High(奴らを高く吊るせ!)1968年』を登場させるにくい演出も... その事より彼の映画製作の世界観はイーストウッド監督と同じように保守的で落ち着いた雰囲気の映画製作をしているようにも見えるが?
ジム... 彼の前腕に刻まれた入れ墨が海兵隊を象徴するように”戦闘時における功績に対してのみ授与されるという”シルバースター勲章を受け、その活躍ぶりは "sharpshooter" と呼ばれるほどの射撃の名手にして狙撃手の彼が今ではその腕前を子牛を捕食するコヨーテに向けるだけになっている。その事は海兵隊時代には "sharpshooter" と呼ばれていた彼が映画の題名を見れば今、彼がおかれている立場や現状が自ずと分かってしまう... "Marksman"
少ない家畜から得た収益も税金にもっていかれる生活。そんな中でも彼は違法移民を見かければ国境警備隊に通報もするし、違法移民でも怪我をしていれば見殺しにはしない。メキシコ国境を塀で囲むことを愚行として取り上げる日本のマスコミ... ニーソン演じる生活が苦しいのにも関わらず国に忠誠を誓うジムが今のメキシコ国境近くのアリゾナに住むコンサバな方たちを代表しているのかもしれない。
彼はミゲルの母親から大金と引き換えにおおよそ2,500キロ離れたシカゴにいる親戚まで彼を無事に届ける口約束を交わしたけれども...
この映画の見どころはラストの銃撃戦であるのはショービジネスのサガであるのは確かな事。でもこの映画の何気ないシーンが個人的には感動を呼ぶ。ジムがシカゴにミゲルを送ると決心した時に酒を断ち、心の欲に縛られた麻薬カルテルの大金をミゲルと共に二人して燃やすところが過去を清算し、老体を鞭打ってギャングたちと対峙し、未来に向け再出発する大切なシーンとなっている。この時の二人のこころが打ち解けたのを...
まさかリーアム・ニーソンがこの役を引き受けるとは意外だと最初は思ったけれども... 数年前にアクションから身を引くような発言もあり、彼の中では妻への想いがまだ解決出来てはいないと思っていたけど... 実生活と鏡のような設定に彼が公に再出発を宣言しているようにも映り、よくぞと拍手を彼に送りたい。
このイベントの少ない、どちらかというと面白みのない映画...
ラストはオマージュなのか、アラン・ラッド風な終わり方も... 意味不明ってか?
可も無く不可も無く。
時間に余裕がある人は見ても損は無い。
劇場公開日 2022年
アリゾナ州境の牧場で働く元海兵隊員のジム・ハンソン(ニーソン)が、
メキシコのドラッグ組織から追われている少年を助けるアクションスリラー
日本公開は2022年、来年ですか?
リーアム・ニーソン主演の新作です。ごの人でなければ最後まで見れません。
話、事体が日本の現実の懸け離れ過ぎだけど外国でも、こんなのあるの?って話です。
まあ映画ですけど・・・・・。
日本の役者さんには、いないタイプですよね?リーアム・ニーソンは、農夫でも美女5人に囲まれても似合う役者さんは
演技と言うより雰囲気は相変わらずあります。
ネタばれではないと思いますが「何だよ」と思わせます。見ればわかります。
『LOGAN/ローガン』、『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』、『ターミネーター:ニューヘイト』、『ランボー ラスト・ブラッド』といった作品群に通底するメキシコからの越境と長い旅で育まれる友情や血縁を超えた家族愛そして贖罪が色濃く描かれた地味ながら力強い作品。とりわけクリント・イーストウッドが自身の作品で繰り返し滲ませている贖罪の描写が痛々しく、『グラン・トリノ』やまだ未見の『クライ・マッチョ』と比べてみたいと思いました。それもそのはずで本作の監督はロバート・ロレンツ。クリント・イーストウッド作品でアシスタント・ディレクターや第2班監督を長年務めている人物。クリント・イーストウッド主演の『人生の特等席』では監督を務め、メジャーリーグのスカウトとしての仕事に没頭するあまり家族を顧みなかった男が娘と向き合う様を叙情的に描いているので本作のトーンには納得感あり。全編に渡ってクリント・イーストウッドの影響が滲んでいて、安ホテルでジムとミゲルがぼんやり観ている映画が『奴らを高く吊るせ!』だったりするところにもさりげないオマージュを覗かせています。
チョイ役ですが、ガソリンスタンドの売店レジの女の子を演じているアンバー・ミッドサンダーがえらくキュート。彼女はリーアム・ニーソンの次作『アイス・ロード』にも出演しているそうなので、そちらも必見ということかと思います。