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鍵(1959) Comments (10)
鍵はというと日記の入っている引き出しの鍵ではなくて、家の鍵です
なので原作の鍵のもつ大きな意味が、本作では良く分からない結果となってしまっています
それでもお互いが観察しあい、だましあい、どこまで分かっているのやらという骨格は失われていません
郁子と敏子
京マチ子の極めて細いつり上がった眉、
それに対して叶順子の太い眉
年増女と処女との性的魅力と木村への積極性の差の表現を強調するための表現で、メイクさんへの監督からの演出指示だと思います
剣持と木村
内実は高価な古美術品は借り物、屋敷は抵当
内実は空っぽの男
木村もまた、倫理感も金もコネも失い空っぽ
違いは年齢でしかなかったことを、中村鴈治郎と仲代達矢との対比を整理して映像化してあります
その手腕はやはり凄い監督だと思います
一番感嘆したのは、はな婆さんの北林谷栄
彼女撮影時48歳です
日本一の老け役だと思います
機能不全?高血圧の夫が若い妻と燃える夜を過ごす為、いろいろ変態チックな事を試す…
少しのエロと変態、まぁ変態にはエロは付き物だけどw 後は、ほぼシュールなコメディのようです。
夫・妻・娘・娘の婚約者、4人全員が、自分のこれから先の人生において別の方向を向いている。人間の心は怖い
閉まっていてる襖、そこから漏れる光、光の先が気になり見てはいけないものを見る感覚、鬱蒼としていて好き。
汽車の連結には面喰らうし、京マチ子のボディはある意味兵器!
谷崎潤一郎か〜
しょっぱなから仲代達矢のメイクが濃いな〜
と思ったら
京マチ子のヤバいメイク(笑)
こういう系かぁと…
列車連結シーンガシャン!ガシャン!ガシャン!
でもって蒸気がシュバーーーッ!!(笑)
谷崎潤一郎の変態文学が原作なのだが、あまり変態じみていない。特に中村雁治郎の京マチ子への執着ぶりが大人しく描かれているから、嫉妬深いじじいにしか見えない。やはりここは変態ド助平な雁治郎でなくては、観客を深淵なる人の心の闇に誘うことはできない。
古美術の小道具もいま一つで、座敷に転がされていた仏像も、老人がエロスを感じるにはただの朽ちた丸太にしか見えない。これでは最初から、落ち目の鑑定家という状況が観客の目に晒されていることになる。
つまり、ラストで明らかになる事実上の一文無しの一家という衝撃は、予めのこの状況の開示によって無効となっているのだ。
救いは、最後に北村谷栄の家政婦が、缶底に「どく」と書いてあるのを確認したうえで、農薬をサラダにふりかけて主人らに食べさせるところである。これは、中盤で磨き粉と農薬の容器の間違いを咎められた北村が、その中身を入れ替えたことによる結末である。
警察には自分が殺したと白状するのに、刑事たちはそれを信用せずに自殺だということで事件を終わらせようとしている。まるで、金田一耕助が現れるまで、この事件が解決をみないという言いたげな終わり方である。